
農家はもっと減っていい 農業の「常識」はウソだらけ
Audible版
– 完全版
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「農家」の8割が売上500万円以下という残念な事実/赤字農業をなぜ続けるのか/農地転用という農家の「不都合な真実」/消費者が鮮度の落ちる野菜を食べさせられている理由――第一線の農業者である著者が、農業にまつわる古い「常識」を一刀両断。忖度なしの具体的でロジカルな提言で、読者の認識をアップデートし、農業の本当の知的興奮へといざなう。大淘汰時代の小さくて強い農業とは?
©Tatsuou Hisamatsu 2022 (P)2022 Audible, Inc.
- 再生時間12 時間 50 分
- 配信日(Audible)2023/3/17
- 言語日本語
- ASINB0BNLXBPN5
- バージョン完全版
- フォマットオーディオブック
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登録情報
再生時間 | 12 時間 50 分 |
---|---|
著者 | 久松 達央 |
ナレーター | 岡野浩介 |
配信日(Audible.co.jp) | 2023/3/17 |
制作 | Audible Studios |
フォマット | オーディオブック |
バージョン | 完全版 |
言語 | 日本語 |
ASIN | B0BNLXBPN5 |
ナレーションのアクセント | Standard Japanese |
Amazon 売れ筋ランキング | - 10,758位Audibleブック・オリジナル (Audibleブック・オリジナルの売れ筋ランキングを見る) - 150位文学論 - 36,647位エッセー・随筆 (本) |
カスタマーレビュー
5つ星のうち4.4
4.4/5
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この本読まずに農業を語ることは、俺が許さん。『農家はもっと減っていい~農業の「常識」はウソだらけ』久松達央さん著。新書なのに読み応えありまくりの必読農業書だ。新書なのに大ボリューム375P。農業にまつわる幅広い見解。うなずきまくりながら読みました。「この一文、いい!」と、本の端は折りまくりでブワッと本の上部は広がっています。「3色ボールペンを持って読めば良かった」と反省しています。これから読む人は蛍光ペンか3色ボールペンを用意し、片手に持ってから読むことを強くオススメします。あ、自分、反省なんかしないでペンを用意してもう一回アンダーライン引きながら読めばいいのか。おもしろい農業論ですし、学びがいっぱいあるし。でもでも、あんまりにも濃く深く良い農業書、早く紹介したかったので「一回読んでみた」ていでのご紹介です。ここ2,30年で農業は変わった。うちの周りでも農業者は1/3に。零細農家は減り、大規模農家だらけになった。そんなリアルな変遷を見てきたアラフィフ農民な私、農業社会変化に対する久松さんの記述は納得だらけ。なんとか生き延びた私達農業者、そしてこれから新規就農する人、新規就農した人、親元就農した人にとっては問題はこれからどうするか?これから未来はどうなるのか?農業で生き延び幸せに生きるためには?久松さん辛口ながらも存分に書きまくっております。自分農民なので周囲から、ネット上(特にTwitter)でもテレビでも地域でも、農業について語る人って本当に多いって感じるけど、この本『農家はもっと減っていい』読んでから語ってくれや…、と切に願う。それだけ幅広い見解、視野広く農業を見つめ直すことができるでしょう。んじゃ、僕がピンッ!ときたポイントを一部引用させて頂きますね。---ここから----●農業後継者にとっての正解がひとつだけある。親の言うことは聞いてはいけない、ということだ。58p →まったくその通り!マジメでよい子が潰れていく世界。時代は変化していくし親は乗り越えなければいけない壁なのだ。特に男子。心理学で「父親殺し」ともいうが20台後半から30前半におきる父親との心理的な苦しみで私も散々これには苦労したので、共感しました。●コツコツ自分で広げていける商売のフィールドを、私は「惨めな範囲」と読んでいます。~中略~大規模にやっている人が面倒で手を出さないところを丁寧にかためていくことが、惨めだが堅実な商圏を作ります。95p →当農園も”北海道レベル”から見ると小さな農家。そして面倒で手間のかかるな直販専門農家なので「惨めな範囲」との解釈には脱帽。すっと腑に落ちました。●業界の変化変化によって失われるものをカバーするのは、小さなプレイヤーの仕事です。82p →私も直販を勉強し始めたときはランチェスター戦略の『弱者の戦法』をとることから始めました。いまでもそうです。改めてアンテナしっかり貼って「チーズはどこにあるのか?」ちょこまかと探求し続けていこうと思いました。●その人の美意識を探るときによく使うのは「誰に褒められたいのか」という質問です.182p →さすが久松さん。思考レベルが高い、意識が高い!この記述につづく久松さんの答えが秀逸。ぜひ読んでほしい。●(農業に対して)たかをくくっていましたが、とんでもありません。120%の力を出し続けてようやく生きながらえる、という状態がずっと続いています。こんなにしんどいと分かっていたら。いや、これ以上は言いますまい。234p →至極共感!!私もほんと、もう限界ですわ。自分の心も体も悲鳴上げているのが、この章を読みながら湧き上がってきました。自らを省みるきっかけとなりました。さて、これからどーしたもんだか…。●自分を含み農業者に言いたいのは、己を正しく「栽培」できない農業者に、どうして健康な農産物や家畜を育てられようか、ということです。353p →【己を正しく「栽培」】は、健康管理のこと。ここもシビれた!忙しい時はお昼にカップラーメン食べちゃうし、ピーク時は過度のストレスで甘いおやつを夜に食べちゃったりと…。反省しきり。食を生み出す仕事をしているのに本末転倒。深く考えさせられ、この本を読んだ以降まずは毎日リンゴ1個食べています。これだけでも体調が違う!のに驚きです。あと、晩酌のアルコールの量も減らしました。うん、やめる度胸まではないれす。でも、アルコール摂取量減らしたらとってもよく眠れるし、朝の体調が違う!久松さん、アル中の私に本を通したキツイ忠告をありがとうございますm(_ _)m----ここまで----まだまだ紹介したいところがある!んだけどなー。『競争を降りられない男たち』360pとか『新規就農者は何故失敗するのか』とか…。余り引用して紹介したら、久松さんから著作権侵害で訴えられても大変なのでこの辺で(笑)農政や有機農業・みどりの政策とか新規就農者の失敗例とか、とにかくてんこ盛りの内容で久松さんの思考・思いが存分に吐き出されている本書、読んでくれっ!としか言い様がありません。全国の農業大学校でこの本『農家はもっと減っていい』は必読書として、いや、課題図書としてレポート提出!ぐらいにプッシュし購読を勧めていきます。久松 達央 さん、素晴らしい農業書を書いて出版して頂きありがとうございます!間違いなく今年No.1の農業者必読書、です。この本を元に、オンライン勉強会やりたいな…。白熱しそうだ。あ、ダメダメ。また忙しくなって自らの首を絞めてしまうぞっ。では、最後にもう一度言うよ☝️この本読まずに農業を語ることは、俺が許さん。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年4月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私は農業に近い分野で仕事をしていますが、本書を読むまで「農家や耕作地が年々減り続けているのは問題だ」という考えを持っていましたし、実際周囲ともそういう会話をしていました。お恥ずかしい限りです。
しかし、私と同様に農業に近い業界に居ながらもステレオタイプな農業危機論を語っている方はとても多いと感じます。危機は危機でもその内容が間違って認識されていれば、有効な対策など望むべくもないですよね。できるだけ多くの方が本書に触れ、認識を改めることを願っています。
しかし、私と同様に農業に近い業界に居ながらもステレオタイプな農業危機論を語っている方はとても多いと感じます。危機は危機でもその内容が間違って認識されていれば、有効な対策など望むべくもないですよね。できるだけ多くの方が本書に触れ、認識を改めることを願っています。
2022年10月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
『キレイゴトぬきの農業論』の久松達央が、3冊目の本書を出した。私は、この本は農水省や農協にかなり鋭く切り付けたと感心した。不都合な農業の現実を突きつけたと言ってもいい。とても、刺激的な本であったので、ライン会議で、友人たちと「今出川方式」で読書会をした。
農家のAさんは、「わかりやすかった。日頃思っていたことを代弁してくれた。農地の集約が困難なことを変える時代に来ている。また、農家が助けられる存在だという認識はやめてほしい」で始まった。私は、著者のいう「農家はもっと減っていい」という意見に全面的に賛成である。
この本の要約を「『小さくて強い農業』を提唱する著者が、農家の高齢化、後継者不足、人口減少などの問題がありながら、収益なき農家はもっと減っていいという。農業は、ビジネスであり、「栽培時期、品種、鮮度」の3つが揃えば、美味しいものとなる。座組み力による身の丈にあった農業をつくり最愛戦略で乗り切る。(140字)」とまとめてみた。
本書の指摘で優れていると思ったのは、以下の点だった。
① 引用されている図が優れている。農業の現状をきちんと認識している。
「基幹的農家従事者は、136万人で平均年齢が67.8歳。65歳以上の割合は全体の7割です。2005年には、それぞれ224万人、64.2歳、57%でした」「販売農家107万戸のうち、売上500万円以下の零細農家です。零細農家層の総売上は、全農業産出額の13%しかない」
5000万円以上売り上げている農家が、全農業産出額の40%を超えている。経営面積10ヘクタール以上の農家は2000年の26.1%から2020年には55.3%になっている。「農家の10人に8人は農業で食べているプロではありません」一方で、売上規模、3000万円以上の農家数は、増加している。
→農水省の政策や農協は、零細農業者を支援する仕組みでしかない。零細農業者は、辞めたくてもやめられないので、やめる覚悟がいる。「産業としての農業の発展に寄与しません」という言葉に、全面的な支持をする。
② 農地は増えたが、耕地面積は減った。
「農業委員会の農地の転用案件は、農業者以外の人が住むためのものばかりです」1961年の耕地面積は、609万ヘクタール。その後、公共事業で110万ヘクタールが農地が造成されているにもかかわらず、耕地面積は440万ヘクタール。差引280万ヘクタールの農地がなくなった。
③ 農業関連ビジネスの隆盛。
農業が淘汰の時代であればあるほど、農業関連ビジネスのチャンスは大きくな
る」幕張の農業展(10月12日〜14日)は、I Tやスマート農業や農業資材で溢れる。
④ 加工・業務用に対応する農業:フードバリューチェーンに適合する
「現在の野菜の需要の6割は、家庭消費ではなく加工・業務用です」。大手量販店では、「品揃えよりむしろ、安定した価格で、説明なしで売れて行くものに品目が絞り込まれている」
→大量の注文、定量、規格にあったものを供給するメガファームかメガグループ。本来は、J Aや市場が対応していたが、機能がなくなりつつある。一方で、生産過剰が生まれることになる。
⑤ バカにならない流通コスト
「産地の直販体制への転換が定着した例はほとんどありません」
⑥ 小さくて強い農業:久松農園。美味しい野菜でお客さんに喜んでもらう。
6ヘクタールで、ロジ野菜、年間70〜100品種で、売上5000万円。
有機栽培であるが、有機栽培はあくまでも手段である。わからないことがあるので楽しい。その戦略は、「最愛戦略」。「拡大と成長は違う」「大きく仕掛けるか、小さく特化するか」「目利きの腕は、商品に合うお客さんを探す技術」(この言葉が、新鮮だった)「小さい農家は差別化してはいけない」「私にとってニンジンは、土と渾然一体となった香味野菜です」
⑦ Howではなく、Whyの領域に踏み込む。
⑧ 重要なのは、「現場、近くの手本、習熟する時間」目ならい、手ならい、指ならい。農業のモジュール化と百姓仕事。「職人とは、ものを作る手立てを考え、そのための道具を工夫する人」。好奇心・持続性・楽観性・冒険心の5つの行動指針。計画的偶発性理論をベースにする。
「農業人の目指すべき人物像のキーワードは自立と自走です」2
「自分のプロジェクトをタスクに要素分析し、その遂行に必要な人や組織とつながる力。私は、これを『座組み力』と呼ぶ。→この座組み力がもう一つよくわからないなぁ。
「自分を大切にしない人」「未来への自己投資ができない人」「身の丈に合わせる」
⑨ 自立した個人の緩やかなネットワーク
適正規模を決めて、維持すること。そのためには、経営の自由を他者に奪われないこと。最も有効な手段は、乗り切ることである。
ふーむ。この指摘は、素晴らしい。日本の未来を作るネクスト・ファーマーである。
このことを論議してみると、「効率化すれば商品の画一化が進むため、逆に小規模農家はニッチを攻めよ。同時に、自分の商品や仕事に共感するファンを増やしてブランド化せよ」ということであり、オーソドックスなマケーティング戦略(ランチェスター的なやつ)であることが窺われる。常識的論理を切り口にすることで、農業が奇形的産業であることを際立たせている。そして、優良なアドバイスがなされている。「小さい農家に必要なのは、その人が好きとか、味が美味しいとか、箱が可愛いとかいう小さなフックをたくさんつくって、結果的に他と比較されにくい良さを醸成してファンを獲得することです。大切なのは、拡大と成長は別だということ。規模を大きくしなくても、強さを磨いていくことは可能です」
著者は、有機農法はあくまでも手段という。難しいからおもしろいと言っている。確かにボタンの掛け間違いや農水省が指導して補助金を出して、官製有機農業をすべきではないと私は思う。討論に参加したBさんは、有機農業でなくても、オリンピックの選手村に提供できるGAP認証でもいいのではないかとしてくる。その方が、ハードルは低くなる。
ただ、著者は、有機農法について、土壌分析、土づくりなどは一切触れていない。また問題とされている硝酸態窒素についても触れない。確かに冬場は、窒素の吸収が抑えられるが、夏場は難しい。また、100種近くの品種を栽培する場合に、硝酸態窒素が日本では問題にされていないが、欧米基準をクリヤーできるか難しい問題もある。
確かに、著者のやっている都市を相手にした農業は、適しているかもしれないが、地方での限界集落などの農業は、地域の振興という側面もあり、どう地場産業を組み立てていくのかが課題となるだろう。今後地方の農業を、どうプロデュースするのかは、重要課題だ。
とにかく、本書は刺激的な指摘と提案に満ちており、現在の日本農業の現状をきちんとつかむことができる好著である。農業に関心のある人には、是非とも読んでいただきたい。
農家のAさんは、「わかりやすかった。日頃思っていたことを代弁してくれた。農地の集約が困難なことを変える時代に来ている。また、農家が助けられる存在だという認識はやめてほしい」で始まった。私は、著者のいう「農家はもっと減っていい」という意見に全面的に賛成である。
この本の要約を「『小さくて強い農業』を提唱する著者が、農家の高齢化、後継者不足、人口減少などの問題がありながら、収益なき農家はもっと減っていいという。農業は、ビジネスであり、「栽培時期、品種、鮮度」の3つが揃えば、美味しいものとなる。座組み力による身の丈にあった農業をつくり最愛戦略で乗り切る。(140字)」とまとめてみた。
本書の指摘で優れていると思ったのは、以下の点だった。
① 引用されている図が優れている。農業の現状をきちんと認識している。
「基幹的農家従事者は、136万人で平均年齢が67.8歳。65歳以上の割合は全体の7割です。2005年には、それぞれ224万人、64.2歳、57%でした」「販売農家107万戸のうち、売上500万円以下の零細農家です。零細農家層の総売上は、全農業産出額の13%しかない」
5000万円以上売り上げている農家が、全農業産出額の40%を超えている。経営面積10ヘクタール以上の農家は2000年の26.1%から2020年には55.3%になっている。「農家の10人に8人は農業で食べているプロではありません」一方で、売上規模、3000万円以上の農家数は、増加している。
→農水省の政策や農協は、零細農業者を支援する仕組みでしかない。零細農業者は、辞めたくてもやめられないので、やめる覚悟がいる。「産業としての農業の発展に寄与しません」という言葉に、全面的な支持をする。
② 農地は増えたが、耕地面積は減った。
「農業委員会の農地の転用案件は、農業者以外の人が住むためのものばかりです」1961年の耕地面積は、609万ヘクタール。その後、公共事業で110万ヘクタールが農地が造成されているにもかかわらず、耕地面積は440万ヘクタール。差引280万ヘクタールの農地がなくなった。
③ 農業関連ビジネスの隆盛。
農業が淘汰の時代であればあるほど、農業関連ビジネスのチャンスは大きくな
る」幕張の農業展(10月12日〜14日)は、I Tやスマート農業や農業資材で溢れる。
④ 加工・業務用に対応する農業:フードバリューチェーンに適合する
「現在の野菜の需要の6割は、家庭消費ではなく加工・業務用です」。大手量販店では、「品揃えよりむしろ、安定した価格で、説明なしで売れて行くものに品目が絞り込まれている」
→大量の注文、定量、規格にあったものを供給するメガファームかメガグループ。本来は、J Aや市場が対応していたが、機能がなくなりつつある。一方で、生産過剰が生まれることになる。
⑤ バカにならない流通コスト
「産地の直販体制への転換が定着した例はほとんどありません」
⑥ 小さくて強い農業:久松農園。美味しい野菜でお客さんに喜んでもらう。
6ヘクタールで、ロジ野菜、年間70〜100品種で、売上5000万円。
有機栽培であるが、有機栽培はあくまでも手段である。わからないことがあるので楽しい。その戦略は、「最愛戦略」。「拡大と成長は違う」「大きく仕掛けるか、小さく特化するか」「目利きの腕は、商品に合うお客さんを探す技術」(この言葉が、新鮮だった)「小さい農家は差別化してはいけない」「私にとってニンジンは、土と渾然一体となった香味野菜です」
⑦ Howではなく、Whyの領域に踏み込む。
⑧ 重要なのは、「現場、近くの手本、習熟する時間」目ならい、手ならい、指ならい。農業のモジュール化と百姓仕事。「職人とは、ものを作る手立てを考え、そのための道具を工夫する人」。好奇心・持続性・楽観性・冒険心の5つの行動指針。計画的偶発性理論をベースにする。
「農業人の目指すべき人物像のキーワードは自立と自走です」2
「自分のプロジェクトをタスクに要素分析し、その遂行に必要な人や組織とつながる力。私は、これを『座組み力』と呼ぶ。→この座組み力がもう一つよくわからないなぁ。
「自分を大切にしない人」「未来への自己投資ができない人」「身の丈に合わせる」
⑨ 自立した個人の緩やかなネットワーク
適正規模を決めて、維持すること。そのためには、経営の自由を他者に奪われないこと。最も有効な手段は、乗り切ることである。
ふーむ。この指摘は、素晴らしい。日本の未来を作るネクスト・ファーマーである。
このことを論議してみると、「効率化すれば商品の画一化が進むため、逆に小規模農家はニッチを攻めよ。同時に、自分の商品や仕事に共感するファンを増やしてブランド化せよ」ということであり、オーソドックスなマケーティング戦略(ランチェスター的なやつ)であることが窺われる。常識的論理を切り口にすることで、農業が奇形的産業であることを際立たせている。そして、優良なアドバイスがなされている。「小さい農家に必要なのは、その人が好きとか、味が美味しいとか、箱が可愛いとかいう小さなフックをたくさんつくって、結果的に他と比較されにくい良さを醸成してファンを獲得することです。大切なのは、拡大と成長は別だということ。規模を大きくしなくても、強さを磨いていくことは可能です」
著者は、有機農法はあくまでも手段という。難しいからおもしろいと言っている。確かにボタンの掛け間違いや農水省が指導して補助金を出して、官製有機農業をすべきではないと私は思う。討論に参加したBさんは、有機農業でなくても、オリンピックの選手村に提供できるGAP認証でもいいのではないかとしてくる。その方が、ハードルは低くなる。
ただ、著者は、有機農法について、土壌分析、土づくりなどは一切触れていない。また問題とされている硝酸態窒素についても触れない。確かに冬場は、窒素の吸収が抑えられるが、夏場は難しい。また、100種近くの品種を栽培する場合に、硝酸態窒素が日本では問題にされていないが、欧米基準をクリヤーできるか難しい問題もある。
確かに、著者のやっている都市を相手にした農業は、適しているかもしれないが、地方での限界集落などの農業は、地域の振興という側面もあり、どう地場産業を組み立てていくのかが課題となるだろう。今後地方の農業を、どうプロデュースするのかは、重要課題だ。
とにかく、本書は刺激的な指摘と提案に満ちており、現在の日本農業の現状をきちんとつかむことができる好著である。農業に関心のある人には、是非とも読んでいただきたい。
2022年11月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本読まずに農業を語ることは、俺が許さん。
『農家はもっと減っていい~農業の「常識」はウソだらけ』久松達央さん著。
新書なのに読み応えありまくりの必読農業書だ。
新書なのに大ボリューム375P。
農業にまつわる幅広い見解。
うなずきまくりながら読みました。
「この一文、いい!」と、本の端は折りまくりでブワッと本の上部は広がっています。
「3色ボールペンを持って読めば良かった」と反省しています。これから読む人は蛍光ペンか3色ボールペンを用意し、片手に持ってから読むことを強くオススメします。
あ、自分、反省なんかしないでペンを用意してもう一回アンダーライン引きながら読めばいいのか。おもしろい農業論ですし、学びがいっぱいあるし。
でもでも、あんまりにも濃く深く良い農業書、早く紹介したかったので「一回読んでみた」ていでのご紹介です。
ここ2,30年で農業は変わった。
うちの周りでも農業者は1/3に。
零細農家は減り、大規模農家だらけになった。
そんなリアルな変遷を見てきたアラフィフ農民な私、農業社会変化に対する久松さんの記述は納得だらけ。
なんとか生き延びた私達農業者、そしてこれから新規就農する人、新規就農した人、親元就農した人にとっては
問題はこれからどうするか?
これから未来はどうなるのか?
農業で生き延び幸せに生きるためには?
久松さん辛口ながらも存分に書きまくっております。
自分農民なので周囲から、ネット上(特にTwitter)でもテレビでも地域でも、農業について語る人って本当に多いって感じるけど、この本『農家はもっと減っていい』読んでから語ってくれや…、と切に願う。
それだけ幅広い見解、視野広く農業を見つめ直すことができるでしょう。
んじゃ、僕がピンッ!ときたポイントを一部引用させて頂きますね。
---ここから----
●農業後継者にとっての正解がひとつだけある。親の言うことは聞いてはいけない、ということだ。58p
→まったくその通り!マジメでよい子が潰れていく世界。時代は変化していくし親は乗り越えなければいけない壁なのだ。
特に男子。心理学で「父親殺し」ともいうが20台後半から30前半におきる父親との心理的な苦しみで私も散々これには苦労したので、共感しました。
●コツコツ自分で広げていける商売のフィールドを、私は「惨めな範囲」と読んでいます。~中略~大規模にやっている人が面倒で手を出さないところを丁寧にかためていくことが、惨めだが堅実な商圏を作ります。95p
→当農園も”北海道レベル”から見ると小さな農家。そして面倒で手間のかかるな直販専門農家なので「惨めな範囲」との解釈には脱帽。すっと腑に落ちました。
●業界の変化変化によって失われるものをカバーするのは、小さなプレイヤーの仕事です。82p
→私も直販を勉強し始めたときはランチェスター戦略の『弱者の戦法』をとることから始めました。いまでもそうです。改めてアンテナしっかり貼って「チーズはどこにあるのか?」ちょこまかと探求し続けていこうと思いました。
●その人の美意識を探るときによく使うのは「誰に褒められたいのか」という質問です.182p
→さすが久松さん。思考レベルが高い、意識が高い!この記述につづく久松さんの答えが秀逸。ぜひ読んでほしい。
●(農業に対して)たかをくくっていましたが、とんでもありません。120%の力を出し続けてようやく生きながらえる、という状態がずっと続いています。こんなにしんどいと分かっていたら。いや、これ以上は言いますまい。234p
→至極共感!!私もほんと、もう限界ですわ。自分の心も体も悲鳴上げているのが、この章を読みながら湧き上がってきました。自らを省みるきっかけとなりました。さて、これからどーしたもんだか…。
●自分を含み農業者に言いたいのは、己を正しく「栽培」できない農業者に、どうして健康な農産物や家畜を育てられようか、ということです。353p
→【己を正しく「栽培」】は、健康管理のこと。ここもシビれた!忙しい時はお昼にカップラーメン食べちゃうし、ピーク時は過度のストレスで甘いおやつを夜に食べちゃったりと…。反省しきり。
食を生み出す仕事をしているのに本末転倒。深く考えさせられ、この本を読んだ以降まずは毎日リンゴ1個食べています。これだけでも体調が違う!のに驚きです。
あと、晩酌のアルコールの量も減らしました。うん、やめる度胸まではないれす。でも、アルコール摂取量減らしたらとってもよく眠れるし、朝の体調が違う!
久松さん、アル中の私に本を通したキツイ忠告をありがとうございますm(_ _)m
----ここまで----
まだまだ紹介したいところがある!んだけどなー。『競争を降りられない男たち』360pとか『新規就農者は何故失敗するのか』とか…。
余り引用して紹介したら、久松さんから著作権侵害で訴えられても大変なのでこの辺で(笑)
農政や有機農業・みどりの政策とか新規就農者の失敗例とか、とにかくてんこ盛りの内容で久松さんの思考・思いが存分に吐き出されている本書、読んでくれっ!としか言い様がありません。
全国の農業大学校でこの本『農家はもっと減っていい』は必読書として、いや、課題図書としてレポート提出!ぐらいにプッシュし購読を勧めていきます。
久松 達央 さん、素晴らしい農業書を書いて出版して頂きありがとうございます!間違いなく今年No.1の農業者必読書、です。
この本を元に、オンライン勉強会やりたいな…。白熱しそうだ。あ、ダメダメ。また忙しくなって自らの首を絞めてしまうぞっ。
では、最後にもう一度言うよ☝️
この本読まずに農業を語ることは、俺が許さん。
『農家はもっと減っていい~農業の「常識」はウソだらけ』久松達央さん著。
新書なのに読み応えありまくりの必読農業書だ。
新書なのに大ボリューム375P。
農業にまつわる幅広い見解。
うなずきまくりながら読みました。
「この一文、いい!」と、本の端は折りまくりでブワッと本の上部は広がっています。
「3色ボールペンを持って読めば良かった」と反省しています。これから読む人は蛍光ペンか3色ボールペンを用意し、片手に持ってから読むことを強くオススメします。
あ、自分、反省なんかしないでペンを用意してもう一回アンダーライン引きながら読めばいいのか。おもしろい農業論ですし、学びがいっぱいあるし。
でもでも、あんまりにも濃く深く良い農業書、早く紹介したかったので「一回読んでみた」ていでのご紹介です。
ここ2,30年で農業は変わった。
うちの周りでも農業者は1/3に。
零細農家は減り、大規模農家だらけになった。
そんなリアルな変遷を見てきたアラフィフ農民な私、農業社会変化に対する久松さんの記述は納得だらけ。
なんとか生き延びた私達農業者、そしてこれから新規就農する人、新規就農した人、親元就農した人にとっては
問題はこれからどうするか?
これから未来はどうなるのか?
農業で生き延び幸せに生きるためには?
久松さん辛口ながらも存分に書きまくっております。
自分農民なので周囲から、ネット上(特にTwitter)でもテレビでも地域でも、農業について語る人って本当に多いって感じるけど、この本『農家はもっと減っていい』読んでから語ってくれや…、と切に願う。
それだけ幅広い見解、視野広く農業を見つめ直すことができるでしょう。
んじゃ、僕がピンッ!ときたポイントを一部引用させて頂きますね。
---ここから----
●農業後継者にとっての正解がひとつだけある。親の言うことは聞いてはいけない、ということだ。58p
→まったくその通り!マジメでよい子が潰れていく世界。時代は変化していくし親は乗り越えなければいけない壁なのだ。
特に男子。心理学で「父親殺し」ともいうが20台後半から30前半におきる父親との心理的な苦しみで私も散々これには苦労したので、共感しました。
●コツコツ自分で広げていける商売のフィールドを、私は「惨めな範囲」と読んでいます。~中略~大規模にやっている人が面倒で手を出さないところを丁寧にかためていくことが、惨めだが堅実な商圏を作ります。95p
→当農園も”北海道レベル”から見ると小さな農家。そして面倒で手間のかかるな直販専門農家なので「惨めな範囲」との解釈には脱帽。すっと腑に落ちました。
●業界の変化変化によって失われるものをカバーするのは、小さなプレイヤーの仕事です。82p
→私も直販を勉強し始めたときはランチェスター戦略の『弱者の戦法』をとることから始めました。いまでもそうです。改めてアンテナしっかり貼って「チーズはどこにあるのか?」ちょこまかと探求し続けていこうと思いました。
●その人の美意識を探るときによく使うのは「誰に褒められたいのか」という質問です.182p
→さすが久松さん。思考レベルが高い、意識が高い!この記述につづく久松さんの答えが秀逸。ぜひ読んでほしい。
●(農業に対して)たかをくくっていましたが、とんでもありません。120%の力を出し続けてようやく生きながらえる、という状態がずっと続いています。こんなにしんどいと分かっていたら。いや、これ以上は言いますまい。234p
→至極共感!!私もほんと、もう限界ですわ。自分の心も体も悲鳴上げているのが、この章を読みながら湧き上がってきました。自らを省みるきっかけとなりました。さて、これからどーしたもんだか…。
●自分を含み農業者に言いたいのは、己を正しく「栽培」できない農業者に、どうして健康な農産物や家畜を育てられようか、ということです。353p
→【己を正しく「栽培」】は、健康管理のこと。ここもシビれた!忙しい時はお昼にカップラーメン食べちゃうし、ピーク時は過度のストレスで甘いおやつを夜に食べちゃったりと…。反省しきり。
食を生み出す仕事をしているのに本末転倒。深く考えさせられ、この本を読んだ以降まずは毎日リンゴ1個食べています。これだけでも体調が違う!のに驚きです。
あと、晩酌のアルコールの量も減らしました。うん、やめる度胸まではないれす。でも、アルコール摂取量減らしたらとってもよく眠れるし、朝の体調が違う!
久松さん、アル中の私に本を通したキツイ忠告をありがとうございますm(_ _)m
----ここまで----
まだまだ紹介したいところがある!んだけどなー。『競争を降りられない男たち』360pとか『新規就農者は何故失敗するのか』とか…。
余り引用して紹介したら、久松さんから著作権侵害で訴えられても大変なのでこの辺で(笑)
農政や有機農業・みどりの政策とか新規就農者の失敗例とか、とにかくてんこ盛りの内容で久松さんの思考・思いが存分に吐き出されている本書、読んでくれっ!としか言い様がありません。
全国の農業大学校でこの本『農家はもっと減っていい』は必読書として、いや、課題図書としてレポート提出!ぐらいにプッシュし購読を勧めていきます。
久松 達央 さん、素晴らしい農業書を書いて出版して頂きありがとうございます!間違いなく今年No.1の農業者必読書、です。
この本を元に、オンライン勉強会やりたいな…。白熱しそうだ。あ、ダメダメ。また忙しくなって自らの首を絞めてしまうぞっ。
では、最後にもう一度言うよ☝️
この本読まずに農業を語ることは、俺が許さん。

この本読まずに農業を語ることは、俺が許さん。
『農家はもっと減っていい~農業の「常識」はウソだらけ』久松達央さん著。
新書なのに読み応えありまくりの必読農業書だ。
新書なのに大ボリューム375P。
農業にまつわる幅広い見解。
うなずきまくりながら読みました。
「この一文、いい!」と、本の端は折りまくりでブワッと本の上部は広がっています。
「3色ボールペンを持って読めば良かった」と反省しています。これから読む人は蛍光ペンか3色ボールペンを用意し、片手に持ってから読むことを強くオススメします。
あ、自分、反省なんかしないでペンを用意してもう一回アンダーライン引きながら読めばいいのか。おもしろい農業論ですし、学びがいっぱいあるし。
でもでも、あんまりにも濃く深く良い農業書、早く紹介したかったので「一回読んでみた」ていでのご紹介です。
ここ2,30年で農業は変わった。
うちの周りでも農業者は1/3に。
零細農家は減り、大規模農家だらけになった。
そんなリアルな変遷を見てきたアラフィフ農民な私、農業社会変化に対する久松さんの記述は納得だらけ。
なんとか生き延びた私達農業者、そしてこれから新規就農する人、新規就農した人、親元就農した人にとっては
問題はこれからどうするか?
これから未来はどうなるのか?
農業で生き延び幸せに生きるためには?
久松さん辛口ながらも存分に書きまくっております。
自分農民なので周囲から、ネット上(特にTwitter)でもテレビでも地域でも、農業について語る人って本当に多いって感じるけど、この本『農家はもっと減っていい』読んでから語ってくれや…、と切に願う。
それだけ幅広い見解、視野広く農業を見つめ直すことができるでしょう。
んじゃ、僕がピンッ!ときたポイントを一部引用させて頂きますね。
---ここから----
●農業後継者にとっての正解がひとつだけある。親の言うことは聞いてはいけない、ということだ。58p
→まったくその通り!マジメでよい子が潰れていく世界。時代は変化していくし親は乗り越えなければいけない壁なのだ。
特に男子。心理学で「父親殺し」ともいうが20台後半から30前半におきる父親との心理的な苦しみで私も散々これには苦労したので、共感しました。
●コツコツ自分で広げていける商売のフィールドを、私は「惨めな範囲」と読んでいます。~中略~大規模にやっている人が面倒で手を出さないところを丁寧にかためていくことが、惨めだが堅実な商圏を作ります。95p
→当農園も”北海道レベル”から見ると小さな農家。そして面倒で手間のかかるな直販専門農家なので「惨めな範囲」との解釈には脱帽。すっと腑に落ちました。
●業界の変化変化によって失われるものをカバーするのは、小さなプレイヤーの仕事です。82p
→私も直販を勉強し始めたときはランチェスター戦略の『弱者の戦法』をとることから始めました。いまでもそうです。改めてアンテナしっかり貼って「チーズはどこにあるのか?」ちょこまかと探求し続けていこうと思いました。
●その人の美意識を探るときによく使うのは「誰に褒められたいのか」という質問です.182p
→さすが久松さん。思考レベルが高い、意識が高い!この記述につづく久松さんの答えが秀逸。ぜひ読んでほしい。
●(農業に対して)たかをくくっていましたが、とんでもありません。120%の力を出し続けてようやく生きながらえる、という状態がずっと続いています。こんなにしんどいと分かっていたら。いや、これ以上は言いますまい。234p
→至極共感!!私もほんと、もう限界ですわ。自分の心も体も悲鳴上げているのが、この章を読みながら湧き上がってきました。自らを省みるきっかけとなりました。さて、これからどーしたもんだか…。
●自分を含み農業者に言いたいのは、己を正しく「栽培」できない農業者に、どうして健康な農産物や家畜を育てられようか、ということです。353p
→【己を正しく「栽培」】は、健康管理のこと。ここもシビれた!忙しい時はお昼にカップラーメン食べちゃうし、ピーク時は過度のストレスで甘いおやつを夜に食べちゃったりと…。反省しきり。
食を生み出す仕事をしているのに本末転倒。深く考えさせられ、この本を読んだ以降まずは毎日リンゴ1個食べています。これだけでも体調が違う!のに驚きです。
あと、晩酌のアルコールの量も減らしました。うん、やめる度胸まではないれす。でも、アルコール摂取量減らしたらとってもよく眠れるし、朝の体調が違う!
久松さん、アル中の私に本を通したキツイ忠告をありがとうございますm(_ _)m
----ここまで----
まだまだ紹介したいところがある!んだけどなー。『競争を降りられない男たち』360pとか『新規就農者は何故失敗するのか』とか…。
余り引用して紹介したら、久松さんから著作権侵害で訴えられても大変なのでこの辺で(笑)
農政や有機農業・みどりの政策とか新規就農者の失敗例とか、とにかくてんこ盛りの内容で久松さんの思考・思いが存分に吐き出されている本書、読んでくれっ!としか言い様がありません。
全国の農業大学校でこの本『農家はもっと減っていい』は必読書として、いや、課題図書としてレポート提出!ぐらいにプッシュし購読を勧めていきます。
久松 達央 さん、素晴らしい農業書を書いて出版して頂きありがとうございます!間違いなく今年No.1の農業者必読書、です。
この本を元に、オンライン勉強会やりたいな…。白熱しそうだ。あ、ダメダメ。また忙しくなって自らの首を絞めてしまうぞっ。
では、最後にもう一度言うよ☝️
この本読まずに農業を語ることは、俺が許さん。
『農家はもっと減っていい~農業の「常識」はウソだらけ』久松達央さん著。
新書なのに読み応えありまくりの必読農業書だ。
新書なのに大ボリューム375P。
農業にまつわる幅広い見解。
うなずきまくりながら読みました。
「この一文、いい!」と、本の端は折りまくりでブワッと本の上部は広がっています。
「3色ボールペンを持って読めば良かった」と反省しています。これから読む人は蛍光ペンか3色ボールペンを用意し、片手に持ってから読むことを強くオススメします。
あ、自分、反省なんかしないでペンを用意してもう一回アンダーライン引きながら読めばいいのか。おもしろい農業論ですし、学びがいっぱいあるし。
でもでも、あんまりにも濃く深く良い農業書、早く紹介したかったので「一回読んでみた」ていでのご紹介です。
ここ2,30年で農業は変わった。
うちの周りでも農業者は1/3に。
零細農家は減り、大規模農家だらけになった。
そんなリアルな変遷を見てきたアラフィフ農民な私、農業社会変化に対する久松さんの記述は納得だらけ。
なんとか生き延びた私達農業者、そしてこれから新規就農する人、新規就農した人、親元就農した人にとっては
問題はこれからどうするか?
これから未来はどうなるのか?
農業で生き延び幸せに生きるためには?
久松さん辛口ながらも存分に書きまくっております。
自分農民なので周囲から、ネット上(特にTwitter)でもテレビでも地域でも、農業について語る人って本当に多いって感じるけど、この本『農家はもっと減っていい』読んでから語ってくれや…、と切に願う。
それだけ幅広い見解、視野広く農業を見つめ直すことができるでしょう。
んじゃ、僕がピンッ!ときたポイントを一部引用させて頂きますね。
---ここから----
●農業後継者にとっての正解がひとつだけある。親の言うことは聞いてはいけない、ということだ。58p
→まったくその通り!マジメでよい子が潰れていく世界。時代は変化していくし親は乗り越えなければいけない壁なのだ。
特に男子。心理学で「父親殺し」ともいうが20台後半から30前半におきる父親との心理的な苦しみで私も散々これには苦労したので、共感しました。
●コツコツ自分で広げていける商売のフィールドを、私は「惨めな範囲」と読んでいます。~中略~大規模にやっている人が面倒で手を出さないところを丁寧にかためていくことが、惨めだが堅実な商圏を作ります。95p
→当農園も”北海道レベル”から見ると小さな農家。そして面倒で手間のかかるな直販専門農家なので「惨めな範囲」との解釈には脱帽。すっと腑に落ちました。
●業界の変化変化によって失われるものをカバーするのは、小さなプレイヤーの仕事です。82p
→私も直販を勉強し始めたときはランチェスター戦略の『弱者の戦法』をとることから始めました。いまでもそうです。改めてアンテナしっかり貼って「チーズはどこにあるのか?」ちょこまかと探求し続けていこうと思いました。
●その人の美意識を探るときによく使うのは「誰に褒められたいのか」という質問です.182p
→さすが久松さん。思考レベルが高い、意識が高い!この記述につづく久松さんの答えが秀逸。ぜひ読んでほしい。
●(農業に対して)たかをくくっていましたが、とんでもありません。120%の力を出し続けてようやく生きながらえる、という状態がずっと続いています。こんなにしんどいと分かっていたら。いや、これ以上は言いますまい。234p
→至極共感!!私もほんと、もう限界ですわ。自分の心も体も悲鳴上げているのが、この章を読みながら湧き上がってきました。自らを省みるきっかけとなりました。さて、これからどーしたもんだか…。
●自分を含み農業者に言いたいのは、己を正しく「栽培」できない農業者に、どうして健康な農産物や家畜を育てられようか、ということです。353p
→【己を正しく「栽培」】は、健康管理のこと。ここもシビれた!忙しい時はお昼にカップラーメン食べちゃうし、ピーク時は過度のストレスで甘いおやつを夜に食べちゃったりと…。反省しきり。
食を生み出す仕事をしているのに本末転倒。深く考えさせられ、この本を読んだ以降まずは毎日リンゴ1個食べています。これだけでも体調が違う!のに驚きです。
あと、晩酌のアルコールの量も減らしました。うん、やめる度胸まではないれす。でも、アルコール摂取量減らしたらとってもよく眠れるし、朝の体調が違う!
久松さん、アル中の私に本を通したキツイ忠告をありがとうございますm(_ _)m
----ここまで----
まだまだ紹介したいところがある!んだけどなー。『競争を降りられない男たち』360pとか『新規就農者は何故失敗するのか』とか…。
余り引用して紹介したら、久松さんから著作権侵害で訴えられても大変なのでこの辺で(笑)
農政や有機農業・みどりの政策とか新規就農者の失敗例とか、とにかくてんこ盛りの内容で久松さんの思考・思いが存分に吐き出されている本書、読んでくれっ!としか言い様がありません。
全国の農業大学校でこの本『農家はもっと減っていい』は必読書として、いや、課題図書としてレポート提出!ぐらいにプッシュし購読を勧めていきます。
久松 達央 さん、素晴らしい農業書を書いて出版して頂きありがとうございます!間違いなく今年No.1の農業者必読書、です。
この本を元に、オンライン勉強会やりたいな…。白熱しそうだ。あ、ダメダメ。また忙しくなって自らの首を絞めてしまうぞっ。
では、最後にもう一度言うよ☝️
この本読まずに農業を語ることは、俺が許さん。
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2022年10月26日に日本でレビュー済み
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資本が都市部へ流れ、人も一緒に都市へ流れてい行き、地方・農村が過疎化す状況で農業をsん行でとらえるのか地域政策で捉えるのか。土地利用型農業がビックビジネスとなり何百人もの雇用ができるならば、それが一つの道筋なのでしょうが、それ程の売上が期待できない状況では、一握りの農家が地方でそれを背負うには限界があるのかもしれません。
著者の言い分は理解できますが、限界もあるように思われます。
著者の言い分は理解できますが、限界もあるように思われます。